予防医療

ノミやダニは主に屋外の植物や動物の体の表面に生息しています。ノミやダニに感染することで皮膚病（ノミアレルギー）、重篤な貧血（バベシア症）が発症することがあるため屋外に出ることがある犬や猫はしっかりと予防していきましょう。
(重症熱性血小板減少症候群SFTS)

重症熱性血小板減少症候群SFTSとは
SFTSは、主にウイルスを保有しているマダニに人が咬まれることにより感染する疾患です。発熱や消化器症状(嘔吐、重症腹痛、下痢）などを主な症状としており、致死率は10〜30％と言われています。犬や猫の感染も報告されており、感染し発症した犬や猫との接触により人に感染する可能性があると言われています。
犬や猫のマダニ予防を行うことで感染リスクを減らすことができます。大切なペットやご家族の皆さまを守るためにマダニ予防を行いましょう！よく草の中に入る、山に遊びに行く子は年中予防がおすすめです。散歩くらいしか外に出ない子はマダニの活動が活性化する3月頃からの予防をおすすめします。

フィラリアとは蚊が媒介する寄生虫です。
蚊の吸血により、蚊の体内にいるフィラリアの幼虫が犬の体内に入ることで感染します。犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫は成長しながら移動して最終的に肺動脈や心臓に寄生し、様々な症状を引き起こします。症状が出てからでは治療するのが難しいため、予防が非常に大事な病気です。また、犬だけの病気ではなく、猫にも感染します。
フィラリアは月に1回お薬を飲ませることで予防することができます。
予防期間は、蚊が出始めてから1ヶ月以内〜蚊がいなくなってから1ヶ月後までになります。気候や地域によってかわりますが、当院では4月から12月までを予防期間としております。特に最後の予防がとても大事なので、最後まで忘れずに投薬を行いましょう。
※フィラリアにすでに感染している子が予防薬を飲むと重篤な副作用が出る可能性があります。毎年、予防薬を飲ませる前には血液検査を行い、感染の有無を確認しましょう。
予防薬は錠剤、背中につけるスポットタイプ、ジャーキータイプ、年に一度の注射タイプなど様々なものをご用意しております。

狂犬病は人を含めたすべての哺乳類が感染し、発病すると治療法がなくほぼ100％死亡する恐ろしい病気です。狂犬病のワクチン接種は犬を飼う飼い主に唯一法律により義務付けられています。生後91日以上の犬には1年に1回の予防接種を受ける必要があります。
近年の日本では狂犬病ワクチンの普及により発症はありませんが、現在でも日本を除く東南アジアでは狂犬病が蔓延しております。万が一日本で発症した場合にも人や犬への感染拡大を予防するため、また感染拡大を抑えるための犬の殺処分をなくすためにも狂犬病のワクチンは必要となります。狂犬病は1年に1回接種したのちにお住いの市町村への登録及び届出が必要です。