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CASE 11 : お尻が膨らんできました(会陰ヘルニアの場合)

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  • CASE 11 : お尻が膨らんできました(会陰ヘルニアの場合)

10歳 ミニチュアダックスフント ♂

お尻を触ると痛がる 排便量が少なく、いきんで鳴いている  

最近便が出にくく、排便時に痛がっているとのことで来院されました。 身体検査では肛門周囲の膨らみがあります。その部位を触ると痛みがあり、 肛門左右の筋肉(特に左側)の消失が激しいです。
症状や身体検査から会陰ヘルニアが疑われ、血液検査やX線検査、超音波検査で 状況の確認を行いました。 血液検査では、全身状態の悪化を引き起こす所見はありませんでした。 X線検査と超音波検査では、腹腔内にあるべき腸や膀胱、前立腺が肛門側に 移動していることが確認できました。 会陰ヘルニアは、お尻の筋肉が弱るまたは機能しなくなることから起こるさまざまな病態のことを言い、その状況により対応が変わる、非常にやっかいな病気です。 治療法は、お尻の膨らみを元に戻すことが基本となります。 ・お尻周囲の筋肉をよせて縫合する ・精巣の総鞘膜を使用して縫合する ・メッシュを使用して縫合する ・結腸や膀胱、前立腺、精管を腹腔内で固定する ・去勢手術によるヘルニア再発の予防 ・たるんだ直腸を縫い縮める etc さまざまな方法がありますが、 1年以内に10-20%再発すると言われてる悩ましい病気です。 本人がスッキリ過ごせる状況に持ち込む(より長くその状況を保つ)ために、 選択肢の中から色々組み合わせることが現在の主流です。 最近の傾向としては、 「会陰ヘルニアに合併して起こる状態をいかにコントロールするか」 が重要となっています。