この季節になると、皮膚が乾燥して痒く肌がカサカサな子が来院します。 これは、冬の季節から空気が乾燥することと、 「コタツの中に入りっぱなし」(これが特に多い) が関係していることが多いです。 乾燥することで皮膚が保湿機能・バリア機能が十分ではなくなり、 肌の乾燥がますます進み、皮膚の状態がさらに悪くなるスパイラルに陥ります。 痒みの原因を探る場合は、まずは 被毛検査、掻爬検査、細胞診などの検査にて 皮膚の感染症(寄生虫・細菌・マラセチア・皮膚糸状菌)を疑います。
2017/12/31
7歳 トイプードル ♂
両肘、脇〜お腹〜股にかけて カサカサして広範囲に脱毛している 痒くフケが多い 臭いがする
今回は、マラセチアが大量に増えていました。 (小さいツブツブがそうです) マラセチア性皮膚炎は、 真菌感染症でマラセチアという酵母菌の一種が 過剰に増殖しています。 マラセチアは常在菌なのですが、 皮脂が増えてベタつきやフケが増えて(脂漏症) 皮膚の状態が悪くなると増えます。 治療は抗真菌剤や抗生物質、シャンプー、軟膏等を駆使して行いますが、 簡単にスパッと治りにくく、根気のいるケアが必要になります。 治療期間が数ヶ月かかることもあり、 良くなったと思ったら再発してしまう厄介な皮膚病です。 上手くつきあっていくためにも、 コタツに入りっぱなしは注意が必要です。